
「抱っこひも」はただの育児グッズではありません。
赤ちゃんの身体発達や、親子の愛着形成、そして育児生活を支える視点まで含んだ「トラーゲン」という抱っこひもの専門分野を知っていますか?
はじめに
私は抱っこ紐支援の専門家です。2016年から、支援者として抱っこ紐を通じた育児支援や専門家向けのセミナーを行ってきました。
私が「抱っこ紐支援」について伝える時に大切にしているのが、ドイツで発展した「トラーゲン(Baby Tragen)」というだっこおんぶの方法です。
これは、赤ちゃんの身体の発達や愛着形成、そして育児生活そのものを支える“だっこ・おんぶ”の方法論であり、ただのだっこやおんぶを超えた奥深い世界がそこにはあります。
私が日本で「ドイツのだっこ理論」を学べた理由
私が「ドイツのだっこ理論(トラーゲン)」を、日本にいながら学べたのは、ひとえに、ディディモスというドイツの抱っこ紐メーカーに、日本代理店があったからです。
私がディディモスに出会ったのは2015年。
当時、同じように「このだっこの方法を伝えたい!」という人々から声が上がったことをきっかけにベビーラップ・アドバイザー®(現ベビーウェアリング・アドバイザー)の養成講座がスタートしました。
さらに、日本代理店の代表は、本場ドイツのセミナーに日本で参加する機会をたくさん作ってくださいました。
それが、Die Trageschule®︎(ディ・トラゲシューレ)というドイツの抱っこ紐スクールや、ドイツの老舗抱っこ紐メーカー「DIDYMOS」のマスタークラスです。
Die Trageschule®︎は2017年から3年にわたって日本に招致され、「学び→現場で実践し→また翌年次のコースを学び、、、」と、繰り返しながら、ドイツのだっこ理論「トラーゲン」の考え方を、実践とともに深くじっくり学ぶことができました。


ディディモスのドイツ本社のマスターコースでは、単なる製品開発にとどまらない、赤ちゃんの発達や育児生活の支援という視点への配慮や、スペシャルニーズ(障がい児育児等)の現場でのTragen実践、そして素材へのこだわりなど、様々な視点からディディモスを深く知ることができ、理解が深まりました。


日本の育児支援に「ドイツのだっこ理論」を伝えたい
これらの学びと、現場での活動を通して私が感じたのは、
抱っこ紐という領域は、専門的な知識なしに安易にアドバイスできるものではない、ということでした。
抱っこ紐は「育児グッズのひとつ」として扱われがちですが、実はもっと丁寧に扱われるべき専門的な道具であり、
育児支援はもちろん、赤ちゃんの発達支援、場合によっては基礎治療にもつながる可能性を持つ実践がそこにはあります。
「トラーゲン」は、日本の新生児医療や育児支援にも大きく貢献できる視点だと私は感じています。
でも、日本でこのような視点に触れられる機会はほとんどありません。
しだいに、「どうすればこの視点を支援現場に立つ方に伝えていけるだろうか」ということを考え続けるようになりました。
そして、「ドイツでの実践」を、そのまま輸入するのではなく、日本の現場で使える形に翻訳し、言葉にして届けていくこと。
それが、私なりの役割だと思うようになったのです。
だから私は、「ドイツの抱っこ理論」を根っこに、抱っこひも支援を伝えています。


